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Call Me by My Name |『ミツバチと私』
2023年/128分/スペイン イザベル・エチェバリア監督の映画『ミツバチと私』( 20,000 especies de abejas , 2023年)は、成長物語(coming-of-age story)の形式を取りながら、夏のバスクを舞台に、「男の子」として割り当てられたココ(のちにルシアという)が、自らにしっくりくるあり方と呼び名を探し出していく過程を、きわめて繊細に描き出した作品である。 ココには、三つの名前がある。アイトール――生まれたときに与えられた「男の名前」。ココ――家族や周囲から呼ばれる、中性的な愛称。そしてルシア――自分で見つけ、心から納得できた名前である。 映画の冒頭には、小さな謎が提示される。ココは不機嫌そうで、学校でトラブルを起こしたらしい。クラスメイトのマルチーナの水着を盗んだのではないかという疑いが持ち上がり、家族は動揺する。しかし、ココが本当に盗んだのか、なぜそうしたのかは、観客にも家族にも明らかにされないまま、物語の焦点は母の故郷バスクへと移る。後に推測できるのは、この出来事がココのジェンダー・アイデンティティの
Oct 23


Machine Loves Not | "Machine Love"
↑ Click to see more about the exhibition As a deliberate response to recent technological developments, the Mori Art Museum presents the...
Apr 17


炭鉱に輝く星のごとく | 『ベトとナム(Viet and Nam)』
2024 / 129分/ 監督:チューン・ミン・クイ( TRUONG Minh Quý ) / ベトナム、フィルピン、シンガポール、フランス、オランダ、イタリア、ドイツ、アメリカ 『Viet and Nam』 Still by nicolas-graux 『Viet and Nam』は、2001年の北部ベトナムの炭鉱という閉鎖的空間を舞台に、ベトとナムという二人の若い男性の関係性を通して、国家、歴史、家族構造と男性同士の間の親密さを繊細に描く作品である。名前に国家のメタファーが刻まれている二人の恋愛は、単なる同性愛の描写に留まらず、戦争と植民地主義の影響が残存する社会的文脈において、クィアな主体性がどのように形成され、抑圧的規範に抵抗しうるかを示す物語として位置づけられる。 炭鉱という舞台設定は、ポストコロニアル的な読みを促す重要な象徴である。閉ざされた鉱山空間は、国家権力や社会的規範が個人の行動や表現を拘束する物理的・象徴的環境として機能しつつ、その内部で芽生えるヴィエットとナムの関係は、抑圧的空間における微細な自由と抵抗を象徴する。ナムが父親
Dec 1, 2024


試練 |『サントシュ(Santosh)』
2024 / 120分/ インド、イギリス、ドイツ、フランス 映画『サントシュ(Santosh)』 映画『サントシュ(Santosh)』は、未亡人であるサントシュ(シャハナ・ゴスワミー)が、亡き夫の警察官職を引き継ぎ、女性、カースト、宗教、そして警察内部の腐敗といった複雑な問題に直面する姿を描く。インド社会の現実をリアルに映し出すこの作品は、監督サンディア・スリがドキュメンタリー制作の経験を活かし、抑制的でありながら力強い演出を通して、一人の女性が偏見や危険に立ち向かう姿を丁寧に描いている。 夫の死によって、サントシュは家庭から混乱と理不尽に満ちた社会へ投げ出される。警察になることは本人の意思であったが、生活の経済的基盤を失った彼女にとっては他の選択肢はほとんどなかった。急激な変化の中で、彼女は警察署内の性差別的な構造の中で自分の立ち位置を必死に探しながら、珍しく女性同士である上司シャルマ警部から知恵を借りつつ、同時にセクシュアリティにまつわる微妙な緊張にも対処しなければならない。 さらに、サントシュは警察組織内の腐敗や不作為にどう向き合うか、底
Nov 30, 2024


看向外面 | 《Las buenas compañías (好同伴)》
年轻女性们秘密组织起来,动用各自的资源,形成自助互助的链条,寻找能够提供帮助的医生护士,为自主堕胎、流产后的女性提供看护和医药,在条件允许下将有堕胎需求的朋友送往堕胎合法的法国或英国,走上街头声援因堕胎或协助堕胎而面临指控的女性和医护人员。
Dec 1, 2023


10个个展 | KYOTOGRAPHIE 2022 「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」
本展不乏惯常的表现手法和技法,但大多将自我(创作者主体,或创作行为本身)放在中心位置,几乎没有以“戏仿”为核心/目的展开的作品。换句话说,整体而言,这次展览中的许多作品既没有刻意求新、求异,也没有主动因循某种“女性主义创作”传统,或是刻意将某个(男性中心的)意象或表现形式作...
Apr 22, 2022


Exhibition: 郊游/野遊び/An Outing
10月21日(木)10am-6pm BUSINESS ONLY 10月22日(金) 10am-5pm BUSINESS ONLY **NIGHT MARKET 10月22日(金) 5pm-8pm FOR EVERYBODY 10月23日(土) 10am-5pm FOR...
Aug 17, 2021


共同体の神話 | アーテスト:飯嶋桃代
東京・上野にある東京都美術館では毎年3つの展示室で展覧会の企画を公募し、入選した企画は約1ヶ月間無償で展示する機会が提供されます。2021年の都美セレクション グループ展のひとつとして、「暗くなるまで待っていて(Until It Gets...
Aug 11, 2021


创作者:温粥
我是温粥。为自己编织命运的人。在所处的世界,感官常常被一些铺天盖地蔓延生长的力量所捕获。能用纯粹的纤维语言完整表达、描写它,是温粥所追求的。 温粥 Wenzhou is born and raised in China. She studied visual...
May 24, 2021


Multiculturalist Feminism | Exhibition "Another Energy"
On the wall by the entrance to Mori Art Museum’s new exhibition, the title Another Energy: Power to Continue Challenging —16 Women...
May 6, 2021


Exhibition "Rooms to Breathe"(呼吸の部屋)
March 5-21, 2021 (Closed on Mondays), 12:00–18:00. Admission free. Reserve here @ The 5th Floor : 〒110-0008 東京都台東区池之端 3-3-9 花園アレイ...
Feb 8, 2021


The Quest and Questions for Queerness | Book "Queer China"
Book Review: Queer China (Hongwei Bao) While many people are going through a difficult period, being grounded while unsettled and...
Jul 1, 2020
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